半夏+生姜

半夏について

 まずは半夏(はんげ)にスポットライトを当てたいと思います。半夏は気血水で見ると理気剤、燥潤で見ると燥湿剤(そうしつざい)になります。守備範囲は体の中心線でもっとわかりやすく言うと口内、気道、食道、胃になります。具体的に薬効を言うと吐き気止めと咳止めになります。薬性が燥なので口渇や舌の乾燥がある場合には使用することができません。それだけは注意するようにして下さい。

【薬効】 理気(制吐、鎮咳)
【守備範囲】 口内、気道、食道、胃(体の中心線)
【五性】 温
【薬性】 燥
【使用禁止】 口渇、舌の乾燥

 半夏の鎮咳作用はちょっと特殊でウイルスを吐き出すための咳でも、気道に炎症がおきている咳でもなく、精神的な要因で出る咳や、風邪が治ったようなのに咳だけがでるような空咳に効く鎮咳作用になります。

ペア魔法 半夏+生姜

ブースト

薬効強化

 半夏のメインの使い方は吐き気止めなのですが、この作用を強める目的で同じく吐き気止めの作用のある生姜とペアを組みます。場合によっては乾姜の時もあります。では方剤をいくつか見てみましょう。

小半夏加茯苓湯(しょうはんげかぶくりょうとう)の構成生薬

1)ペア魔法 半夏+生姜
2)茯苓 抗めまい

 吐き気止めの基本方剤になります。ただし口渇、舌の乾きがある人には使えません。乾きがある場合には利水剤の四苓湯(しれいとう)や五苓散(ごれいさん)を使いますのであわせて覚えておくと良いでしょう。茯苓はめまいを和らげるために入っています。

半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)】

1)ペア魔法 半夏+生姜
2)茯苓 抗めまい
3)厚朴(こうぼく) 理気
4)紫蘇葉(しそよう) 理気

 小半夏加茯苓湯に理気剤の厚朴、紫蘇葉が加わっています。つまり「制吐+理気」になります。精神的なものが原因でのどに詰まった感じが取れない(食道神経症)方に適した方剤です。

  • 最終更新:2017-02-28 22:47:39

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